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Photo Story

No.1 Spring 2001

with 1984 200ZG


 価値観のあわない相手とは付き合えない―。そう私は思っている。

 仕事でもプライベートでもそれはおんなじ。

 新しいコンセプトの企画を出すときだって、私の考えについてこられない人には外れてもらう。

 「あなたのやり方じゃあ、絶対うまくいかないの―。」ってね。

 実際、私が手がけた仕事は顧客の評判も上々、必ず成功してきたし、これからもきっとそう。

 上手くやれる手応えってのがリアルにわかるのよね。

 だから、私は私の感覚を信じて思うとおりにやっていくの。

 それでもたまに、私に意見してくる人には、こう言ってやるの。

 「私、価値観のあわない人とお話ししている時間はないの―。」ってね。


そんなときに、アイツと出会った―


 出入りの業者の男のコなんだけど、仕事にメチャクチャ一生懸命なアイツ―。

 オッチョコチョイのミスもするけど、それを見事に挽回していくパワーのあるコ。

 そんなところがよかったのかな?少しアイツが気になっていた―。


 でも、この前オフの時に偶然、

 普段とは少し違った感じがするアイツを見つけた。

 何かちょっと怖いような感じ―。

 そうそう、眠たそうな顔をした古い型のフェアレディに乗ってたな…。

 「別にあんな古い車に乗らなくてもイイのに…。」っていうのがそのときの感想。

 結構お給料もイイはずだしね。


 そのことを後日、仕事場でアイツに言ってあげたの。

 「もっとあなたに似合うイイ車があるんじゃない?」って―。

 そうしたら、ムキになって怒るのよね。もう、ホント激しく―。

 バカみたい…。

 古いから古い、維持費だってもったいないって言っただけなのに-。

 やっぱり価値観のあわない人とは付き合いきれないわ―。



 でも…。


 確かに古い割にはきれいだったかな?そのフェアレディ…。

 よく手入れが行き届いている感じがして…。



 ウン、凛とした感覚がアイツに似合っているかな?

 仕事と一緒で、一生懸命あの車にも接しているんだなと思った―。



 そんなことを考えていたら、何かその情熱が羨ましく思えてきてしまう自分に気づいてきた。

 私だって、仕事や自分の好きなことに対して情熱は持っている―。

 でも、それは計算ずくで、いつの間にか周りの人間が好ましく思うものだけを好きになっていないだろうか?

 受けのイイもの、最新のもの、流行のもの、etc ―。

 そんな価値観を気にせず夢中になれる熱さを、私は持ちあわせているだろうか…?



 バカなことを考えちゃった―。

 私は私、アイツはアイツ。

 ただ、ほんの少しだけ…。

 そんなものに囚われないで、あの車に接しているアイツを羨んでいる私がいる―。
- f i n -
  MODEL:AKIRA