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Cover Car

  Hanabi

No.2 Summer 2001

1987 Z31 300ZX 2seater


 Z31の後期型、300ZXの登場である。

 NDI(日産デザインインターナショナル)のデザイン案をもとに、1986年10月、Z31の外装の一新を伴うマイナーチェンジにより誕生したこの「後期型」は、ともすれば相手を威嚇するような雰囲気をもつ「前期型」とはうってかわり、柔和な表情の中にも秘める力強さを表現するような イメージにまとめられた。

 この時、最高出力の表示もグロスからネットに変えられ、搭載されるVG30ETの最高出力は195ps、最大トルクは31.5kg/mと表記され、変更されたエクステリアや、

AT(オートマチック・トランスミッション)のみの設定、さらに装備を充実させたインテリアなどとあいまって、「後期型」300ZXはハイパワーラグジュアリースポーツカーの様相をいっそう濃くしていったモデルである。

 そして、この機体もまた、当時の他のスポーツカーたちの運命と同様に、1980年代末のハイパワー至上主義の渦中に巻き込まれていく…。

 ― それがいいことなのか、悪いことなのかはわからないが ―。

 そのハイパワー至上主義の先鞭を切ったのも、まぎれもないこの300ZXの"VG30ET"なのだ。







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