1984 Z31 300ZX TURBO
　　(50th ANNIVERSARY)

　1984年、 創業50周年を迎えた日産は当時、生産車両の約80%を海外へ輸出していたZ Carに、その記念車 "NISSAN-DATSUN 300ZX TURBO 50th Annivesary SPL edition" を設定して北米・豪州等で販売を開始した（豪州では2by2のみ）。

　海外での“Ｚ”がラグジュアリーでハイウェイクルーザー的な要素を求められていた事もあり、迫力あるワイドフェンダー、豪華な内装などを用意した、この"50th Annivesary"は好評をもって市場に迎えいれられ、プレミアムプライス（$25,000の価格に対し、$10,000程度が上乗せされた）がつけられたモデルとしても記憶されている。

　その主な変更点は海外の関連図書によれば、

などにとどまり、その他はECU（エンジ・ンコントロール・ユニット）などに若干の違いこそあれ基本的には当時の輸出仕様と同じと思われる。

　そう、"50th Annivesary"は、前述のような"Z Car"を理想とする、海外のオーナーのために用意された機体であることが存在理由なのである

　言い知れぬ迫力を持ったフェンダーの膨らみも…。
　高貴な黒に囲まれた室内も…。
　50thの誇らしげなエンブレムも…。

― そして、ここから始まったのだ ―。

　この後、多彩な仕様が派生する事になる、Z31こと、"Early 300ZX "の岐路を決めた最初の一歩が。