カーライフのPDCAサイクル
   ― ひからびないために ―

 劇中、一志雅則の台詞より―。

 「(前略)オレはチューニングカーが嫌いだ。チューニングカーはたたずまいが貧相だからだ。オレはコイツに敏感だ。ガキの頃から貧相なもんをイヤってほど見て来たからな。

 特に国産のデカいヤツのチューニングカーは、地上で最も貧乏臭いもののひとつだ。もちろん、乗ってるヤツの顔も貧乏そのものだ。なにもかもクルマに吸い上げられひからび、貧乏が全身からたちのぼるように臭ってる。(後略)」

 (マガジン・ノベルス 湾岸ミッドナイト 赤い狂獣 作 清水草一氏 原作 楠みちはる氏)


 12年前の小説です。

 作者は大乗フェラーリ教教祖“MJブロンディ”清水草一氏。

 小説の中で彼は、フェラーリF40で悪魔のZを追う一志雅則なる人物にこの台詞を吐かせます。全体の中の一部なのですが、総じて自分に当てはまってましたし、現在もそうかもしれません。


 汗水流して稼いだ給料を、足回りのセットアップに20数万かかってしまって、カップ麺を箱買いして暮らすとか。

 必死の思いで貯めたなけなしの貯金を、全塗装の作業に50万以上かかって、1ヵ月間100円の菓子パンだけで過ごすとか。

 概ね当たっています。肌カッサカサです。


 クルマに対してそんなふうに接している。多かれ少なかれ、思い当たる方もおられるのではないでしょうか。


 こうならない方法はちゃんとあるのですよ。ちゃーんと。


 資金計画を持って、熱くならず、冷静にクルマの維持管理を考えること。

 よく言われるのは、古いメルセデスのCクラスやBMWの3シリーズなどの中古外国車を買うなら、車両購入価格の他に50~100万の自由になる資金を余裕を持って用意して購入する。そうすればいざ大金のかかる故障となっても、毎食カップ麺といった貧乏臭いことにはなりません。

 ド中古のS30Zなら車両購入価格の他に、100万以上の資金は貯めて用意したいですね。

 そうすれば足回りにケチがつこうが、電気関係にトラブルが起きようが、なんとかしのげるでしょう。

 全塗装?それはまた程度によりますが、外装部品も高騰しています。別にまた100万ぐらいいるのではないでしょうか。作業内容しだいですがね。



 さて、話は変わってここ数年、各企業内の社員研修ではPDCAサイクルという考え方を根づかせようと働きかけがされています。

 Plan(計画)、Do(実施・実行)、Check(点検・評価)、Act(処置・改善)。

 ここでは多くは説明しませんが、この考えをクルマの購入・維持に置き換えて考えてみると、よりよいカーライフが送れるかもしれません。

 クルマの購入後、どこかが気になりだしたら、その改善のためにはいくらいくらのお金が必要で、では、そのお金の調達方法はこれこれで、次は改善を頼むベストなショップ探し。そしてその改善がうまくいったら、次の気になる箇所の改善に向けての計画策定、等々。

 螺旋式にカーライフを改善していく方法です。


 繰り返しになりますがクルマの維持にはお金がかかります。すべては計画性と実行力。そして次に活かす反省点。肝に銘じたいところです。



 それがわかっていながら、未だにきちんとした資金計画を立てられない自分がいたりするのですが―。




2009.09.13